不思議な縁で今の仕事に繋がっていく。
T.T.
#製造 #第一機械事業部 #主任
#1999年入社
入社してから今までの仕事のことを教えてください。
油圧プレスやライン関係の組立、試運転、後は主にタイルに絵柄を直接デジタル印刷できるインクジェットプリンター関係の仕事を担当しています。タイルやホーローパネルに絵柄をつける時には、版を使ったりするアナログなやり方が普通なんですが、実は紙のように絵柄を”印刷”できる特殊なプリンターがあります。イタリアメーカーの機械なんですが、当社はその日本代理店としてプリンターの販売、導入の現地工事、アフターメンテナンスまで行っています。僕自身は、入社してからの経歴が結構特殊な方だと思うんですけど、まず製造の組立に2年いて、それから今はもう無くなってしまいましたが、この会社の三重県伊賀市の出張所の方に2年いて、さらにそこから営業部の方に3年。ただ自分はあんまり営業には向いてないなと悩んだ時期でもあって、今度は設計の方に異動させてもらったんですね。それで設計で3年くらい経った頃、当時の製造部が人の異動の関係で人員が足りなくなるってことで異動の話が自分のところに来て、「自分にとって製造は古巣でもあるし、ぜひ行かせてほしい」ということで製造に戻ってきて今に至ります。プリンターの仕事をやりだしたのは、製造部に戻って6年くらい経った2013年頃ですね。今では、主任として製造部長のフォローの仕事もやるようになりました。
プリンターの仕事のことをもっと詳しく教えてください。
プリンターをお客様の生産現場に据え付ける時は、まずはレベル(水平)出しをしたり、ネットワークを介した外部機器との接続もあるので、その辺りを順番に立ち上げます。プリンター自体の立ち上げにはマニュアルがあるので、その通りに進めていきます。海外からプリンターメーカーの方が来日した時には僕らは基本サポートなんですが、新型コロナの関係で今は来られないことがほとんどなので、最近は自分たちで全部進めることが多いですね。これで機械の据え付け自体が完了して印刷できるようになった段階で、次は紙を流してプリントヘッド1個1個の打点を調整します。これに結構時間がかかります。そして、そこまで終わるとセットアップは完了なんですが、ここでお客様にお渡しできるかというと、そうではないんです。プリンターを新規に導入されるお客様ですと、プリンターの使い方やメンテナンスの仕方のトレーニングがあります。だいたい、プリンターの立ち上げに1週間、トレーニングに1週間くらいのイメージです。さらにそれとは別に、カラー関係の方もやっていかないといけなくて。印刷はできるけど、要は画面で人が見たものと印刷されたものの色をそろえる「カラーマッチング」という作業を、測色機を使って行う必要があります。それの調整をしたり、使い方のトレーニングに2週間くらいです。なので、トータルで1カ月近くかかりますね。僕がこのプリンターの仕事をやり始めてから、台数的には今まで平均して1年に1台くらいの新規立ち上げに関わらせてもらいました。
プリンターの仕事に関わり始めたきっかけを教えてください。
僕は、このプリンターの事業が始まった時から関わらせてもらっています。製造に戻ってから、当時はメンテ等の出張要員として色んなところに出歩いていたんですが、ある時、「今度、インクジェットプリンターの工事をやってくれ」と上司に言われて。ただ、その時は一体何のことだかは全く知らなくて。タイルが流れてきたら、その隅っこの方に下から製造番号を印字する程度の、ちょっとしたモノかなと思っていたんですよ。何度かそういう機械をやったこともあったので。そしたら、身長の何倍もあるでっかい箱が現場に届いて、「なんだこれ?!」みたいな笑。そんな感じで全然想像していたプリンターとは違って驚きましたが、その後なんとか国内で最初にそのプリンターを導入できました。それから1年後、今度はそのメーカーの本社があるイタリアに、導入先のお客様、後藤社長に同行して2週間くらいの研修に連れて行ってもらったんです。実は僕、イタリアにはずっと行ってみたいなと子供の頃から思っていたんです。昔からサッカーが好きだったんですが、イタリアは当時サッカーが強かったのでその憧れもあって。ただ、新婚旅行などの機会でも、中々イタリアに行くタイミングが無くて、「もうイタリアに行くことはないのかなぁ。」なんて思っていたんですが、すごく不思議な縁で、こうして仕事と繋がって、一つ夢がかなったんですよね。こんなキャリアになるとは入社前は想像もしていませんでしたが、このくらいの年になっても好きに仕事をやらせて頂いてるので、会社の中での居心地はいいですね。もちろん大変なこともありましたけど、このプリンターの仕事が今はやりがいです。今となっては僕の生命線だし、ここは誰かに負けるわけにはいかないって思っています。
今の仕事の目標は何ですか。
全体的に見ると、やっぱり後進の育成ですね。それはプリンターの立ち上げだけに限らず、メンテナンスとかも含めて、後輩がもっと行けるようにしたい。忙しいので、中々やれていないことが多い現状はありつつも、今は何人かの後輩にプリンターのことを教えています。会社の中にプリンタールームがあって、そこでプリンターを実際に触ることができるので。
後進の育成で意識していることがあれば教えてください。
できるだけ、「任せたい」と思うように意識しています。要は、自分で苦労したり失敗したり経験したりしないと、覚えられないところってあると思うんですよ。だから社内では、できるだけアドバイスはするようにはしているけど、本人に任せるようにしている。それを意識するようにはしているけど、自分は短気な所があるので、すぐにアレコレ言ってしまったり、時にきつく注意してしまうこともあるんですけど、なるべくグッとこらえて見守るようにはしています。ただ、外の現場に行った時はどうしても別ですね。結局、生産現場でのメンテナンスだと稼働中のラインを止めたりしないといけないので、作業時間は限られるし、会社の外では特にチャラチャラしていられないところはありますから、時に厳しく接したり、ぶつかったりすることもあります。でもそれは、その人本人のことが嫌いとかではないし、互いに真剣だからこそってのはあると思います。今は、製造の現場も若い世代の子が大分増えて育ってきたので、彼らにはこれからもどんどん成長していってほしいなと思っています。